(クメールタイムズ社説)選挙後のカンボジアには改革が必要だ 7月31日

7月29日に投開票されたカンボジア総選挙は、高い投票率と、最大与党・カンボジア人民党の地滑り的勝利に驚かされた。しかし、多党制民主主義が成立するためには、小政党が議席を獲得するかどうかが緊急な課題となる。

国家選挙管理委員会の非公式集計によれば、人民党は77%以上の得票をしており、国民議会の125議席すべてを独占する可能性が高い。これは1993年以降のカンボジアの総選挙では初めての出来事だ。人民党が、安定と経済発展をこの国にもたらし、有権者はこの状態が維持・継続されることを期待して票を投じた。それは疑いがないだろう。しかし、それにもかかわらず、国際的な視点というものも、カンボジアのような国には重要だ。

問題は、与党・人民党が国民議会の全議席を独占した状態で、9月に新たなスタートを切るであろう人民党政権が、どのように国際社会に対し「われわれは多党制を維持している」と説明し、納得してもらえるのか、ということだ。もうひとつ忘れてはならないのは、国家選挙管理委員会の非公式集計によれば、60万票近い無効票があり、18%の登録有権者が投票に行かなかったという事実だ。これらのことが示すのは、現状への憤りであることは、きわめて明白だ。

では、次の政権がより多くの選択肢を持ち、より幅広い意見に耳を傾けるための次の手段とは何だろうか。

まず、次の政権は、選挙法を改定し、小政党にも政治的活動や役割を担う余地をつくるべきである。政府は彼らに政治的な力を与える法的な仕組みづくりをするべきだ。現在の政党比例代表制は、大政党に有利である。改革のひとつの方法は、この政党比例代表制の選挙制度を、地方レベルでも、国政レベルでも変えることである。

2番目に、人民党はより強い義務と責任を負ったということだ。有権者の熱望にこたえるためには、しっかりとした改革を実行しなければならない。投票した人々は、より良い社会サービスや若い世代の雇用創出などより多くの機会を設けることなど、人民党が掲げた公約に対する信頼と自信を表現したのだ。そして、こうした公的サービスの向上のためには、説明責任と透明性を高めることを含めたグッドガバナンスを実現することが重要だ。

3番目に、新しい政権は、新しい発想を採り入れるために閣僚に若い世代を迎え入れなければならない。若いリーダーたちを招きいれることで、彼らに機会と責任感を持たせ、年長の世代とのギャップを埋めることができる。時代遅れのリーダーシップと力の階層により、人民党の知的財産は十分有効に活用されていない。残念なことにネポティズム(縁故主義)が公的機関にはびこっている。したがって、知的財産と才能を十分に活かすためには、実力主義を導入しなくてはならない。

4番目には、外交に関し、次の政権は戦略的な外交パートナーシップを複数の国と結ばなくてはならない。現在、カンボジアは2つの国とのみ、戦略的パートナーとなっている。日本と中国だ。カンボジアはロシア、インド、韓国、インドネシア、オーストラリアともこうした関係を模索するべきである。カンボジアには、ひとつのパートナーに集中するのではなく、他の国々とも協力的な関係を保つことで中立的な立場を維持し、戦略的に危険回避するための外交政策が明らかに必要だ。それこそが、カンボジアという国が微妙なバランスを保ちながら地政学的に安全を保障されるための形だ。中国との関係を保ちつつ、米国や欧州との協力関係を維持し、ニュートラルであることが必要だ。

人民党はこれまでにない勝利を手にしたが、政権の正当性は、今後の改革への取り組みにかかっている。特に、不正・汚職の撲滅、国家組織の強化、若手リーダーたちの育成の分野だ。

外交面では、米国や欧州連合からの圧力や制裁が強まるなかで、より厳しいかじ取りを迫られるだろう。国際関係は、威圧や制裁などの「ハードパワー」から、硬軟を合わせた「スマート・パワー」が主流となる時代に移っている。すべての面において、古臭い威嚇や暴力的な脅しは、洗練された外交へと道を譲るべきなのである。

(原文:https://www.khmertimeskh.com/50517328/reforms-are-needed-in-post-election-cambodia/

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