玉石混淆の街

 ロシア通り沿いに建設中だったデパート、パークソン。計画発表当時は「カンボジア初の高級デパートの進出」と言われ、大いに盛り上がった。しかし、先日横を通り過ぎてハッとした。デカデカと掲げられていたパークソンの文字が消えている。もう1年以上工事が進んでいるようには見えなかったが、地元紙で確認するとやはり計画が頓挫したようだ。

 意気消沈したのも束の間、今度はバベルの塔と化していたゴールドタワー42の工事再開の報が飛び込んで来た。式典に参加すると最上階まで上がれるという。少々退屈な演説を聞き流し、いざ工事用のエレベーターへ。エレベーターはギシギシと音を立てて揺れ、後悔と恐怖心にさいなまれながら、なんとか最上階へたどり着いた。

 あいにくの曇り空だったが、さすがはプノンペン最高層の建築物だけあって東西南北どの方角もさえぎるものはなく、街を隅々まで見渡すことが出来た。指でつまめそうなくらい小さな街に、雨後のタケノコのように乱立する中層建築の数々。そして、その狭間には束の間の更地。かたや計画が頓挫し、かたや不死鳥の如く工事が再開する。プノンペンは玉石混淆の街だ。

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石川正頼

現地新聞社などローカルメディアをメインに仕事をする写真家。プノンペン在住。

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