おめでとうございます! 加茂健シェフ、フランス政府より勲章を授与 食文化の普及に貢献

プノンペンのフレンチレストラン「ラ・レジデンス」の料理長、加茂健シェフがこのほど、フランス政府より農事功労賞シュバリエを授与されました。叙勲の理由は、カンボジアの地において、フランスの食文化の普及に貢献した、とのことです。

加茂さんへの叙勲式は5月3日、プノンペンのフランス大使館で開かれました。厳かな雰囲気の中、エバ・グエン・ビン駐カンボジア・フランス大使より勲章を受けた加茂さんは、フランス語と日本語でスピーチしました。

加茂さんがカンボジアへ来たのは2007年でした。当時、加茂さんはスイスの「マンダリンオリエンタルジュネーブ」で働いていました。そこへ、ある人から電話が来ます。そして、「(スイスのレストラン)ローランドピエロにいた加茂シェフの味が忘れられず、探していた。カンボジアで開かれるフレンチレストランのシェフを必要としている人がいる。料理長として行かないか」と、誘われました。すでに本場ヨーロッパの一流レストランで活躍していた加茂さんは当初、この話を断りました。しかし、「見るだけ」と思って訪れたカンボジアの熱気に魅了され、家族とともに移住を決めました。

ラ・レジデンスは翌年2008年に開業します。しかし、食材も、料理人も不足しているカンボジアでは、さまざまな困難がありました。これまでの10年余りで200人近いスタッフが加茂さんの厨房に加わっては、辞めていきました。それでも加茂さんは、「にごりのない、ピュアなフランス料理を教えたい」という軸足をぶれさせることなく、カンボジア人スタッフたちと根気強く、真摯に向き合ってきました。

この日のスピーチの中で加茂さんは、「料理とはその国の文化です。異国の文化を、異国人である私が伝えていくことには、困難もたくさんありました。しかし、ご縁をいただきカンボジアに来たのですから、私が経験してきた素晴らしいフランス料理、にごりのないフランス料理をカンボジア人に教えていこうと決め、情熱を傾けた10年でした」と、語りました。

フランス料理のシェフだった父親、19才の時に日本の東京銀座でフランス料理の世界へ入り、その後、フランス、スイスと仕事を続ける中でめぐりあった、きら星のようなシェフたち。そして何より、いつも近くで加茂さんを支えた妻・陽子さん、長女・琴音ちゃん。家族や料理の先人たちへの感謝を口にしたとき、思わず加茂さんの声が詰まりました。言葉にならない思いは、見守るゲストたちにも十分伝わってきました。

奥深く、尽きることない料理の世界。加茂さんの挑戦は、留まることなくこれからも続きます。5月27日には、カンボジア在住日本人による祝賀会がソフィテル・プノンペンで開かれました。発展を続けるカンボジアに、加茂さんのまいた種が芽吹き、鮮やかでピュアなフレンチの花を咲かせることを私たちは確信しています。

***
「プノン」は2013年の創刊号から、加茂健さんによるオリジナルレシピを掲載してきました。気さくなお人柄に甘え、お忙しい中、陽子さんとともにレシピのページを毎月作っていただきました。グランシェフに料理を考案していただくなど、なんと贅沢で厚かましいコンテンツなのだろうか、と改めて思います。レシピの数はすでに55種になりました。いつか、一冊にまとめたいと思います。本当にありがとうございます。そしてこれからも、「みんなの加茂さん」でいてください。感謝と、友情を込めて。(プノン編集長 木村文)

The following two tabs change content below.
プノン編集部

プノン編集部

2013年6月発行。カンボジアで最初の「月刊」日本語フリペ。ビジネス情報を中心に、暮らしに便利なタウン情報もお届けします!
プノン編集部

About プノン編集部

2013年6月発行。カンボジアで最初の「月刊」日本語フリペ。ビジネス情報を中心に、暮らしに便利なタウン情報もお届けします!

View all posts by プノン編集部 →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です